ハイフェッツと音階
ハイフェッツを知らないヴァイオリニストはいないと思いますが、
ハイフェッツは音階の鬼でした。
練習時間が3時間しかないときは、そのうち2時間音階を弾く。 By ハイフェッツ
ハイフェッツとガラミアンの前で演奏したパールマンは、ラロのスペイン交響曲を弾いた後に
音階を弾かされたと語っておられます。
そして音階の鬼になるとスケールを弾いてリラックスできるようになります。
ハイフェッツ死の直前、ある弟子がハイフェッツを訪ね、
何か弾きましょうかと尋ねると、ハイフェッツはスケールを弾かせたと言います。
死ぬ直前でも?!その弟子はきっと青ざめたに違いありません😖
どうして音階を弾かされる?!
ということで、音階の重要性についてです。
音階練習で何が手に入るか
ヴァイオリンの音階練習には、単音の他、重音練習や、
ハーモニックスなどもあるのですが、基本的に
音の羅列なので、超地味な作業です。
決して華やかしいものではありません。
たぶん部屋にこもって、指板の上を行ったり来たりを繰り返します。
なんとなく、ジムでトレーニングする事に似ています。
毎日続ける事によって手に入れられるもの。
それは、すべてです。
精神力はジムに通うマッチョ人のような強靭な強さになります。
本番に弱い人、それはもしかして音階練習で集中する練習をしてないからかもしれません。
スケールの鬼になると、コンサート前にスケールを弾いてリラックスできるようになります。
音階を練習している人としてない人の出てくる音、楽器のコントロール能力は歴然の差です。
音階練習不十分組は、そうですね〜…..
箸をあまり使わない子供が箸を使ったときとか、
単語は知ってるけど、あまり使わない英語を話すときの能力とか、
普段、使わないお化粧テクニックを使った後の顔の違和感とか。。
そんな感じで曲が仕上がっていきます。(どんなだ!?)
わかりやすく言うと、
- まずは、耳がよくなる事が言えます。
耳が良くなるとは、
- 音程感覚が身につくという事です。
音程感覚が身につくと、指が正確なポジションをおさえようとします。
- そして、指の柔軟性や強さが身に付きます。
- そのほかにも、リズム感がよくなったり、
- 各ポジションの位置把握ができるようになります。
音階でしっかりリズムを変えて練習すると、
- 弓と指のコーディネーションが上達してきます。
するとどうでしょう!速いパッセージを弾く時、すごく規律が整ってきます💖
曲を弾いていて、あ!ここは、イ短調の旋律的短音階の下降系だな!とか
わかるようになったら、もうあなたは音階のシステムを理解していると言えます。
- 音階のシステムを理解することは、曲を理解することにもなります。
でも、残念ながら、1日では何も変わりません😖
アウトプットするまで時間がかかるということです。
毎日続ける事、しかも正しく、丁寧に…コツコツと
近道はないと思って、地道に努力する事、それが最大の近道だと思います。
おすすめヴァイオリンのスケール教本を紹介します。
初級編
第1ポジションの音階、それぞれシャープ、フラット3つずつまでの教本です。
日本ではなかなか見かけませんがオンラインでHal Leonaldからすぐ購入できます。
Scales in First Position for Violin SCALES IN 1ST POSITION FOR VIO [ Harvey S. Whistler ] 価格:1,039円 |
中級者編
筆者が大好きなチェコの教本2冊です。
価格:1,039円 |
フリマリーの次にセブシックOp-1 Part3を練習するといいと思います。
セブシックの後半はスケールというより、指の訓練に特化した音型なので、指の強化に繋がります。
SEVCIK VIOLIN STUDIES OPUS 1 PART 3 価格:1,980円 |
上級者編
【輸入楽譜】フレッシュ, Carl: スケール・システム(音階教本)/ロスタル編 [ フレッシュ, Carl ] 価格:6,050円 |
私はボロボロになるまで使いました。このスケール教本に育てられたヴァイオリニストは数知れず。
音階練習の時に重要なのは、神経を尖らせる?事です。
集中して音を聞いてください、そして右手の動きにも注意をして練習しましょう。