幼児の楽器レッスンのコツ

子供と大人は別の生き物

音楽レッスンを始めるにあたってこれを理解できてないと親がイライラしたり、子供がレッスンや練習自体を嫌がります。まずは、大人である私たちが子供を理解する事、そして、子供と一緒に学ぶ姿勢が大切です。さて、どのように幼児の音楽レッスンを進めていくべきでしょうか?

レッスンを始める前に必ず必要な事

それは、見学です。 

幼児がヴァイオリンを始めたい、もしくは、親が何かのお稽古事を始めさせたいと思って、

すぐに始めさせることほど残念なことはありません。

なぜ、残念か、それは、そのお稽古事の希少価値感を最大限に引き出せないからです。

大人でも、何かを手に入れたいと思った時、

すぐに手に入ってしまったらその価値は下がってしまいますが、

それは子供でも同じです。

ヴァイオリンが欲しい、ヴァイオリンを弾いてみたい、

その気持ちを最大限に引き出すにはレッスンを見学する事です。

親が一番最初にすること、それは、先生やお教室探しです。

そして、子供と一緒にそのお教室を見学をする事です。

1回では何もなりません。 最低でも3回は時間を割いて、見学させてもらってください。

できれば、同じ年代の子供のレッスンを見学できるといいです。

もし、グループレッスンをやっているお教室であればなおいいですね。

子供は、真似をしたがる生き物です。 

同じ年代の子供達が楽しそうに、上手にヴァイオリンを弾いてたり、合奏してたりすると、

もうそれだけで、自分も仲間に入りたいと思うはずです。

恥ずかしがり屋の子供でも、何度も足を運んで見学するだけで、徐々にその環境に慣れてきます。

よくお試しレッスンやトライアルなどがありますが、

私は、幼児には、見学ほど、強力な希少価値を高める方法はないと断言します。 

まずは、子供のやる気を高めることから始めましょう。

お教室が決まったら

楽器を続けていく上で大切な事、それは、練習です。

そして、ここで大切になってくる事が3つあります。

それは、

親の覚悟と時間と工夫です。

これに失敗すると残念ながら、毎回のレッスンが、

子供にも親にも、ただのストレスでしかなくなります。

そして、教える立場の先生もそれは伝わるし、

先生にもストレスを与えることになります。

毎日の練習を楽しくする工夫

  • おやつの時間を練習時間に

3、4歳児の場合ですが、おやつの時間に合わせて練習をします。 

そして、例えば、1回曲を弾けたら、小さなご褒美を一つずつあげます。

それは、小さなグミだったり、ブドウだったり、ナッツだったり、本当に1個づつです。

それを繰り返すことによって、あっという間に10回弾けないところを練習してたと言う事が起こります。

まずは、おやつのあげ方を工夫してみましょう。

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  • 練習の成果をビジュアル化しよう

子供は数をビジュアル化することによって、自分がどれだけ練習したかを確認できます。

1回弾くことによって増えてくる小道具があると練習もはかどります。

台紙を使ってシールを貼るとか、おはじきやビー玉をコップに入れていくとか、

あとは、5分弾いたら5円のように貯金箱にお金を入れっていってもいいと思います。

ご褒美については色々な意見があり反対する方もいらっしゃいますが、

私はいいと思います。

大人だって、お給料をもらえなければ仕事はしたくないし、特に子供は成果と結果をビジュアル化する事は

大切だと思います。

  • 感情と記憶の密接な関係

何回も同じところを間違えたり、繰り返して練習しても、なかなか覚えられなかったり、

子供にはよくあることです。

ちょっとしたことで集中できて、その日はできても、次の日は全く逆戻り。

大人の私たちはそれに一喜一憂します。

ここはドではなくレだよと話したところで、子供にはちっとも面白くもなんともありません。

子供への声がけにはいかにイマジネーションを膨らませて、

いかに感情を共にするかがポイントになってきます。

イライラして叱ったりすると逆効果です。ここで必要なのは大人のわたしたちの忍耐力です。

ここはレさんの出番だから、ドさんには少し待っててもらおうとか、

レさんが悲しそうだから、レさんを弾いてあげてとか、

ちょっとした感情を言葉にすると、子供にはわかりやすいです。

フォルテとかクレシェンドなどの表示も普段見ている映画のシーンや、

アニメの印象的なシーンを思い浮かべて、状況を物語のようにすると、覚えられたりします。

なんかこの雨はクレッシェンドになってきたねとか、普段の生活の中での声がけも大切な勉強時間です。

ヴェンゲーロフの公開レッスンをご覧になった方はおられるでしょうか?

見ていてすごく楽しいです。曲を物語にして上手に生徒の感性を引き出しています。

  • グループレッスンの必要性

楽器のレッスンは必ず個人レッスンになってきますが、

それに加えて、グループレッスンをしているお教室があれば最強です。

子供は子供が大好きです。

特に女の子はお友達の真似をしたがり、男の子は競走しながら学んでいく特性があります。

同じ年代のグループレッスンに参加することは子供にとっては

楽しさや、社交性や、コミュニケーション力、集中力など、いろんなことを学んでいけます。

グループレッスンのコツとして、アンサンブルのスキルや、読譜の練習、作曲家の事や曲のアナリーゼ、

クイズや、ゲームなどを取り入れると楽しさも広がります。

グループレッスンだけでは、楽器の上達は見込めませんので、お勧めできませんが、

個人レッスンに加えて、グループレッスンをしているところは子供にとってはさらなるやる気につながります。

反復練習の工夫

上達するには、正しく、繰り返し弾くことが必要になってきます。

子供にとってはその繰り返し弾くことがとっても退屈です。

そんな時は、状況を変えたり、チャレンジを強調して、楽しく繰り返し練習をしましょう。

  • お部屋を暗くして、暗闇の中で弾かせてみる。
  • 姿勢を変えて弾かせてみる。例えば、ヴァイオリンなら寝ながら弾かせてみたり、ピアノなら立って弾かせてみたり。
  • ビー玉や、小銭などを使って、箱に宝物を入れていく。
  • サイコロや、アプリケーションのルーレットを使って、弾く回数を決めさせる。
  • おやつの時間に練習させる。練習ごとに一つずつおやつを与える。
  • 子供が1回弾くごとに、ママに物をあげられる→ママは大袈裟に喜ぶ。
  • 私はパワーストーンだといってアクリルストーンを使いました。
  • 毎日、同じ時間に練習させる。 タイマーや時計のアラームを使って、練習時間だと把握させる。

楽器の習得は子供と親の二人三脚です

特に、幼児の場合は親のやる気や根気が、ものを言います。

ヴァイオリンの場合は、幼い頃から始めた方が、基礎が身につきやすく、

小学高学年になる頃には、大分すんなりと技術を習得できるようになってきます。

最低でも、3歳から8歳までの5年間はやはり親が一生懸命支えてほしいと思います。

ただ、どのご家庭でも子供が練習したがらないという状況は多かれ少なかれ出てきます。

現代社会は、テレビや、インターネット、ゲームなどのエンターテイメントに溢れています。

それらのエンターテイメントに慣れ親しんでいると、すっかりその刺激に慣れてしまって、自ら想像力を働かせて、物事を解決させていく思考をしなくなる可能性があります。

楽器の習得は地道な作業ですが、注意力、集中力、記憶力、思考力を鍛える事ができます。

まずは、親御さんが諦めずに、自信と確信を持って、5年間は頑張って欲しいと思います。

小学中学年になれば、子供もある程度は自分で練習できるようになってきますから。

注意力と集中力を高める音階練習のすすめ記事はこちらから

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